外来生物法の2次指定

12月8日の環境省のプレスリリースで特定外来生物の第二次指定種がパブリックコメントを経て43種類に決まったと言うことが出ていた。このまま行けば来年2月1日に施行される。8月のパブリックコメント時の候補種からはアシナガキアリとツヤオオズアリの2種が再検討すると言うことではずされた。ちなみに,パブリックコメントの多くはウシガエルが実験生物として使えなくなることを危惧する声だったそうだ。
植物ではオオキンケイギクボタンウキクサ,オオフサモなど9種類が指定されることになった。そのうちの1種が「アゾルラ・クリスタタ」(Azolla cristata)というシダ植物のアカウキクサの仲間。一般にアゾラと呼ばれるものの一種で,有機農法(アイガモ農法)などで水田に導入されることもある植物だが,在来の希少種であるアカウキクサやオオアカウキクサを駆逐したり雑種を作って遺伝的汚染を広げたりするおそれがあるとして指定されることになった。有機農法の利用には胞子が不稔となる雑種系統のアカウキクサ属植物があるので,それで代替することが望まれている。
このニュースでふと思い出したのが,先月新聞の県内版で目にした「福岡城の濠にオオアカウキクサが繁茂」という記事。希少植物が繁茂したので保護していくという内容だったが,あの「オオアカウキクサ」はきちんと同定されていたのだろうか。もしかして,希少種で保護から一転外来生物だから駆除ということになったりしないだろうか。
もう1つ,どこで読んだか忘れたが,水田のアゾラが水質浄化に役立つと書かれているのを見たことがある。アゾラは,共生藍藻の働きで空中の窒素を固定することができる。だからレンゲなどのマメ科植物と同様に緑肥として用いられているので,アゾラが育つ水田は富栄養化することはあれど水質浄化はされないと思う。