特定疾患

私が罹病した多発性筋炎と大腿骨頭壊死はどちらも患者の数が少なく,原因が不明で治療法が確立していない「特定疾患」(いわゆる難病)である。難病情報センターには特定疾患に関する情報がまとめられていて, 多発性筋炎・皮膚筋炎特発性大腿骨頭壊死にあるとおり,どちらも全国で年間に数千人が治療を受けている程度のまれな病気である。特発性大腿骨頭壊死はその半数がステロイド性とされ,多発性筋炎だけでなく全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の治療のため副腎皮質ステロイド剤を服用した場合の約1割に発症するという。
ステロイド投与が大腿骨頭壊死の発症の要因であることはほぼ明白だが,発症するのは1割で残りの9割は発症しないですむ。発症するかしないかがどう決まるのかわからず,予防法も確立していない。1割の人が発症するのは副作用だとしたら大変高率だと思うのだが,多発性筋炎の情報には,ステロイド投与の副作用としては「感染症の合併、消化性潰瘍、糖尿病、骨粗鬆症、肥満、多毛、ニキビ、脱力、興奮・抑うつなどの精神症状など」とあって大腿骨頭壊死は記載されていない。どうしてなのだろう?